コーヒー農園オーナー制度に申し込んでから、ずっと心待ちにしていたお便りが届きました。
そう、《COFFEE FARM OWNERS》のコーヒー農園レポート第1号です。
コーヒー農園レポートでは、私たちがオーナーとなっているコーヒーの木の生育の様子や、現地バリ島の農家さんたちの生活の様子をお届けしてくれる(予定)なのです。
もちろんこのブログでは届いた農園レポートをそのまま掲載することはできませんが、
「コーヒーの木はどうやって育てられているんだろう?」
「コーヒー農家さんは、どんな生活を送っているんだろう?」
という疑問を持っているコーヒーが好きな方、コーヒーにまつわる世界をもっと知りたい方にお楽しみいただけるような記事にしたいなと思います。
コーヒータイムのお供に、異国の空気を感じられる記事はいかがですか?
この記事はシリーズ記事です。コーヒー農園オーナー制度《COFFEE FARM OWNERS》に関する他の記事を読みたい方はこちらからどうぞ。
バリ島コーヒー農園生産レポート第1号
第1号のコーヒー農園レポートでは、1枚の写真と2通のLINEメッセージが届きました。
写真は、柔らかな黄緑色が印象的な、コーヒーの木の写真でした。

「コーヒーの木」というと、みなさんどんな植物を想像しますか?
コーヒーの木といえば、濃い緑の葉を背景に、赤いチェリーが実っているのを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
私もまさにそんなイメージで、「コーヒーの木の葉はクリスマスのヒイラギのように濃い緑」だと思っていました。
ところが、届いた写真は、意外にも優しい黄緑色が画像の大半を占めていたのでした。
前回オンラインイベントで見た写真では、イメージ通りの濃い緑色の葉っぱだったので、色が違うのは光の加減でしょうか? それとも、季節によって色合いも変わるのでしょうか?
来月以降の農園レポートでは、葉っぱの色合いにも注目したいと思います。



まさか葉っぱの色まで気になるとは思っていなかったなぁ。
コーヒーの生育状況
コーヒーチェリーの収穫は、9月までで終了したばかりです。
7~8月にメインの収穫があって、最後に生育遅れのチェリーや収穫忘れのチェリーが摘み取られます。
今はコーヒーの木には実は残っておらず、柔らかそうな黄緑色の葉っぱと、冬の間に枯れたのであろう茶色い葉っぱが付いていました。(南半球に位置するバリ島では、これからが春です)
ちなみに、最後まで木に残っていた生育遅れのチェリーや収穫忘れのチェリーは、品質にバラつきがあるので、チェリーのまま乾燥させて、地元での消費に回されるそうです。



果実が付いたまま乾燥させるコーヒー、すごく甘そうだね。
10月以降のコーヒー農園は、メンテナンス期に入ります。
メンテナンスでは何をするかというと、雑草や不要な草木の掃除をしたり、シェードツリーを購入したりします。
シェードツリーとは、コーヒーの木とは別の背の高い木で、コーヒーに日陰を作ってあげるためのものです。
- コーヒーチェリーに直射日光が当たるのを防ぐ
- コーヒーの木の温度を下げて、できあがる実をより美味しくする
といった効果があります。
また、バリ島の「世界で一番イケている」剪定も、10月11月の時期に行います。
コーヒーの木の通気を良くしてあげて、また、日光もほどよく取り込まれるようにカットします。
そして、土壌に肥料を与えます。バリ島の肥料は、鶏の糞を使うのが伝統的なのだそう。
これらの作業を、まもなく始まる雨季がやってくるまでに行うのです。
バリ島の農家さんの生活
バリヒンドゥー教の信仰が90%以上のバリ島。
今年2020年の9月末には、「ガルンガン」があったそうです。
ガルンガンとは、バリヒンドゥー教の暦のひとつ「ウク暦」で210日周期でやってくる祭日で、神々や祖先の霊、自然霊が寺院に降り立つ日とされています。



祖先の霊が帰ってくるというところは、日本のお盆にも近いものがありますね。
ガルンガンの紀元は10世紀ごろに遡ります。
ワルマデワ王国時代のバリ島は、マヤデナワ王という暴君が治めていました。
無神論者の王は、民に対して、神に祈ることを禁じていたので、人々はこっそりと隠れて神に祈りを捧げていました。
そんな民を神は憐れみ、インドラ神を地上に遣わせたのです。
マヤデナワ王は抵抗しましたが、ついにはインドラ神に成敗されました。
インドラ神の勝利は、悪(アダルマ)に対する善(ダルマ)の勝利として記念され、やがてこれがガルンガンの祭日となったのです。
ガルンガンの時期には、バリ島の人々は仕事をお休みして、実家に帰ったり、民族衣装で正装をしたり、ラワールというお祭り料理を作ったりします。
バリ島の女性は、このガルンガンに合わせて流行のクバヤ(民族衣装)を用意するので、ガルンガン前の仕立て屋さんは大忙しになるそうです。
お寺に参拝に行って、家に帰ったら友人や親戚をもてなして、バリ島の人にとっては大切で楽しい日を過ごすことになります。
ガルンガンから数えて10日目が「クニンガン」という日で、クニンガンの正午に神々や祖先の霊は天上に帰り、ガルンガンの一連の行事が終了します。
「LIGHT UP COFFEE」の精製所でも、ガルンガンの時期にはお仕事がお休みになります。
なので今年は、ガルンガンが始まる9月末までに、全ての収穫を終わらせたそうです。
雨季が始まる前に農園のメンテナンスをしたり、現地バリ島のお祭りに合わせて収穫や精製のスケジュールを組んだり、当たり前のことを言うようですけれど、「コーヒーの生産が現地の風土や文化と共存しているんだなぁ」ということが感じられた農園レポートでした。
日本で暮らしていると、季節や文化行事って、年々薄れていくような気がしませんか?



お盆やお正月も仕事がある人も多いですよね。



ハロウィンみたいに新しく定着するお祭りもあるけどね。
雨季までに剪定の作業を終わらせるバリ島とは違って、たとえば「梅雨が来るからそれまでに仕事を終わらせよう」なんていうこともなく、年中変わらず同じように出勤をしている人もいます。
国民全員が休んだり、行事に参加をしたり、ということが日本にはなくて、「休める人」と「休めない人」がいて、どんな日も誰かしらが働いていることが「当たり前」になっている。
これがおかしいと言うつもりはありませんけれど、世界にはそうじゃない国もあるんだなぁ、ということが改めて思い出されました。



う~ん、世界って広い!
第1回のコーヒー農園レポートでは、コーヒーの生産の様子だけじゃなくて、バリ島の文化にも触れることができました。
ガルンガンってどんな行事なんだろう? と調べてみたら、日本の文化との違いがおもしろくて、文字通り世界が広がるような心地がしました。



農園レポート、とっても良かったです。



また来月にも期待だね!
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