「コーヒーを始めたけれど、おいしい淹れ方がわからない」
「いつも淹れているコーヒーが、どうにもお店みたいにおいしくならない」
「コーヒー初心者でもできる、おいしいコーヒーを淹れるやり方を知りたい」
このページをご覧になったあなたは、コーヒーの淹れ方についてお悩みを抱えていらっしゃると思います。
うんうん、コーヒーの淹れ方って、実はよくわかってないんだよね。
見よう見まねでなんとなく淹れている人が、実はかなり多いんです。
この記事では、コーヒーの基礎を知っておいしいコーヒーを淹れられるようになりたい人のために
- コーヒーの味を左右する要素
- 初心者でもマネしやすい、おいしいコーヒーの淹れ方
この2点をわかりやすく解説&紹介します。
コーヒーの淹れ方を解説している記事って、初心者さんにはわかりにくかったり、人によって大きくブレてしまいそうな表現になっていることが多いなってずっと気になっていたんです。
「少量のお湯で蒸らす」とか書かれていると、「少量ってどれくらい!?」ってなったりだとか。
「数回に分けてお湯を注ぐ」なんて書かれてしまうと、この「数回」がそのときそのときによって大きく変わってしまって、毎回味の違うコーヒーになってしまうのですよね。
今回ご紹介する3種類の淹れ方は、プロが紹介する抽出レシピの中でも初心者がわかりやすくて、正確にマネしやすい基本のやり方です。
この基本を押さえれば、慣れてくると自分好みの味わいにアレンジすることもできるんですよ。
それではご覧ください♪
初心者向け解説!コーヒーの味を左右する要素
コーヒーを淹れる前に、基本の知識をご紹介します。
コーヒーって、淹れ方によって濃くなったり薄くなったり、すっぱくなったり苦くなったり、甘くなったりもします。
何をどうやったらどんな風に味が変わるの?
コーヒーの味を左右する要素を知れば、これからご紹介する3つの淹れ方も、自分好みにアレンジできるようになりますよ。
サクッとコーヒーの淹れ方だけ知りたい方は、読み飛ばしても大丈夫です。
コーヒーの濃さを左右する要素:コーヒーの粉の「重さ」
ん? 当たり前のことを言ってない?
それが、意外とできていない方が多いんです。
あなたはコーヒーの粉を、どうやってはかっていますか?
コーヒー用のメジャースプーンで何杯、とはかっている人が多いですが、これ、間違いなんです。
コーヒーの粉は重さではかりましょう。
同じ「スプーン1杯」ではかっても、豆のままと粉の状態では当然重さが違います。
また、コーヒー豆は「浅煎り」と「深煎り」でも重さが違うのです。
(※深煎りの豆は浅煎りよりも水分が蒸発していて、同じ体積でも軽くなるのです)
なので、おいしい濃度のコーヒーを淹れるためには、粉の重さをはかることが重要になってきます。
コーヒーの粉の15~17倍の重さのお湯(お好みで)でドリップするのが、一般的にはベストバランス。
コーヒーの粉に対して……
- お湯の量を少なくする⇒コーヒーが濃くなる
- お湯の量を増やす⇒コーヒーが薄くなる
ガツンとしたコーヒーが飲みたい気分のときはお湯を少なめにドリップしたり、やわらかいコーヒーが飲みたいときはお湯を多くしてドリップすると、もっとコーヒータイムを楽しめますよ。
コーヒーを淹れるときには、重さをはかるスケールは必須アイテムです。
コーヒーの苦味・酸味・甘みを左右する要素:お湯の温度
想像してみてください。
ココアとか、砂糖や塩なんかを溶かすとき、冷たい水よりも熱いお湯の方が溶けやすいですよね?
それ、コーヒーも同じなんです。
どういうこと? って顔をされていますね。
お湯の温度が高くなればなるほど、コーヒーの成分がよく抽出される
コーヒーをおいしく淹れるためには、適度に成分を抽出することが大切なのです。
コーヒーって、やっぱり苦いもの。それに豆の中にはおいしさだけが詰まっているわけではなくて、「雑味」や「えぐみ」もあります。
温度を上げすぎると苦くて雑味のある味になってしまいますし、かといって温度が低すぎると薄くておいしくないコーヒーになってしまいます。
じゃあ、何℃のお湯でコーヒーを淹れればいいの?
コーヒーを淹れるときは85~95℃(92℃前後)のお湯を使う(諸説あり)
沸騰したお湯をドリップポットに注ぎ換えるとだいたいちょうどいい温度になりますが、温度計を使って好みの温度を探るのもよいでしょう。
温度の変え方のコツとしては
- 温度が高い⇒苦味・雑味が出やすく、酸味を感じにくい
- 温度が低い⇒酸味・甘みが出やすく、苦味・雑味が抑えられる
どうしてこうなるのかというと、酸味や甘みは溶け出しやすく、苦味や雑味は溶け出しにくいからなのです。
この基本を押さえると、自分好みのコーヒーを探しやすくなりますよ。
コーヒーの味・濃さを左右する要素:抽出にかける時間
基本ポイントの3つめが、「抽出時間」つまり、素早くドリップするかゆっくりとドリップをするかということです。
勢いよくお湯を注げば早く抽出されますし、ゆっくりと何回にも分けてお湯を注ぐと、ゆっくりと抽出されます。
コーヒーの粉がお湯に浸って、成分が溶け出していく様子を想像してみてください。
ゆっくり抽出する=コーヒーの粉が長くお湯に浸っていると、その分成分がじんわりじんわり溶け出していきます。
逆に素早く抽出すると、お湯が薄いままで落ちていきます。
コーヒーの抽出時間を長くすると、それだけ成分がたっぷりと溶け出し、濃いコーヒーになります。
もう一歩進んで考えてみましょう。酸味・甘みは溶け出しやすく、苦味・雑味は溶け出しにくい成分でしたね。
つまり、お湯の温度のときと同じように
- ゆっくりと抽出する⇒苦味・雑味が出やすく、酸味を感じにくい
- 素早く抽出する⇒酸味・甘みが出やすく、苦味・雑味が抑えられる
という特徴もあるのです。
コーヒーの抽出にかける時間の目安は2分30秒~4分。けれどお好みで変えてOK
「コーヒーのドリップは3分以内で。長くしすぎると雑味が出ます」と書かれた説明も多いです。
基本のレシピは3分で覚えてしまっても大丈夫ですが、私自身、4分くらいかけてゆっくりとドリップしていることが多いですし、たっぷりと淹れたいときは、お湯が落ちきるまでに5分もかかることだってあります。
絶対に3分以内じゃないとおいしくない、ということはありませんので、安心してくださいね。
【発展】コーヒーの濃さを左右する要素:コーヒー粉の粗さ・細かさ
コーヒーをスーパーで買う人は、すでに挽いてある豆を買われていると思います。
専門店でコーヒーを買っている人でも、家にコーヒーミルがない方は、豆を挽いてもらって購入していると思います。
なので、この項目は発展ポイントとしています。参考までに聞いてもらえるとうれしいです。
ご自宅にコーヒーミルがある場合は、コーヒーの豆の挽き具合も自由に変えることができますね。
- 豆を細かく挽く⇒苦味・雑味が出やすく濃いコーヒーになる。コーヒーらしい味がする。
- 豆を粗く挽く⇒苦味・雑味が出にくくあっさりと薄いコーヒーになる。人によっては飲みやすいと感じる。
粉の粗さ(粒度といいます)を変えると、実はコーヒーの味がすごく変わるんです。
「このコーヒーは苦くてどっしりしているから、ちょっと粗く挽いてみよう」
とか
「このコーヒーは軽やかな味わいだから、細かく挽いて成分をしっかり抽出しよう」
とか変えられるようになると、コーヒーがすごく楽しくなりますよ。
初心者でもマネしやすい、おいしいコーヒーの淹れ方
コーヒーの基礎を学んだところで、いよいよコーヒーの淹れ方をご紹介します。
3種類のプロの淹れ方をご紹介しますが、これらはどれも、時間や重さをはかることで正確にマネをしやすいレシピになっています。
また、先ほどご紹介した「コーヒーの味を左右する要素」を押さえてアレンジすることで、自分好みのコーヒーに変えていくこともできます。
早く教えて!
初心者でも簡単なコーヒーの淹れ方①粕谷哲さんの「4:6メソッド」
最初にご紹介するコーヒーの淹れ方は、ワールドブリュワーズカップ2016というコーヒーの世界大会で優勝したプロのバリスタさんのレシピです。
このレシピでは、お湯の量はコーヒーの粉の15倍の重さです。
基本の淹れ方は簡単で、「全体の1/5量のお湯を、45秒間隔で注いでいく」だけです。
たとえば、コーヒー粉20g、お湯の量300ccで淹れるなら
- 0秒~ 60cc
- 45秒~ 120cc
- 1分30秒~ 180cc
- 2分15秒~ 240cc
- 3分~ 300cc
このように、60ccずつ5回に分割してドリップします。
レシピのアレンジも簡単なので、ぜひやってみてください。
初心者でも簡単なコーヒーの淹れ方②珈琲きゃろっとさんの「きゃろっと式」
次にご紹介するレシピでは、雑味の少ない、旨みだけがぎゅっと詰まった飲みやすいコーヒーを淹れることができます。
オンラインストアが日本中で大人気の、珈琲きゃろっと
このレシピでは、「最初に濃いコーヒー液を抽出して、お湯を足して濃度を調節する」淹れ方をします。
実は、コーヒーというのは前半の抽出で90%の旨み成分が出きってしまうのです。
後半のコーヒーは薄くて雑味も混じっているので、前半のおいしいとこだけ取りをして、後半の雑味部分は抽出させず、差し湯をすることで飲みやすいコーヒーを淹れることができる、というのがきゃろっと式の理論です。
動画では2カップ分のコーヒー粉を使って1カップの目盛りまで抽出し、2カップ目の目盛りまで差し湯をしていますが、ホームページでおいしい分量の目安が詳しく紹介されていました。
豆使用量 | 抽出量(注湯量) | 差し湯 | |
---|---|---|---|
1~2人前(250ml) | 23g | 100ml(148ml) | 150ml |
2~3人前(350ml) | 30g | 150ml(210ml) | 200ml |
3~4人前(450ml) | 45g | 150ml(240ml) | 300ml |
「抽出量」というのは、落ちきったコーヒー液の量です。注いだお湯の総量ではありませんので、注意が必要です。
コーヒーの粉は、粉の重さの倍量のお湯を吸うと一般的には言われています。
なので参考の数字ですが、全体でどれくらいの湯量を注げばいいかも記載してみました。カッコ内の注湯量の数字がそうです。
これで、ドリッパーとサーバー全体の重さをスケールではかる一般的な淹れ方でもきゃろっと式のコーヒーが味わえると思います。
ぜひ試してみてください。
初心者でも簡単なコーヒーの淹れ方③誰でも簡単にコーヒーを淹れられる「クレバードリッパー」
最後に、味がブレなくて誰でも簡単においしいコーヒーが淹れられるクレバードリッパーをご紹介します。
淹れ方はどの淹れ方よりも簡単です。
粉とフィルターをセットしたら、全体にかかるようにお湯を注いで30秒蒸らし、残りのお湯を注いだら3分待ってコーヒーを落とすだけです。
お湯の量は、基本通りにコーヒー粉の15~16倍。お好みで調整してください。
クレバードリッパーは、お湯を注ぐだけなのでテクニックいらず。
安定しておいしいコーヒーを淹れられる、その名の通り賢いアイテムなのです。
粉の粗さやお湯の温度、待ち時間を変えることで、味わいを自分好みに近づけることもできます。
ハンドドリップが難しいと感じている方、安定した味わいのコーヒーを飲みたい方にオススメですよ。
以上、コーヒーの味わいについての基本知識と、3種類のコーヒーの淹れ方でした。
私は特に、4:6メソッドでの淹れ方を愛用しています。
本家では粉の量に対してお湯を15倍注いでいますが、豆によって16倍に変えてみたり。
粗挽きの本家に対して、私は普通のペーパードリップの細かさでコーヒーを淹れています。
基本のやり方を覚えたら、自分流にどんどんアレンジしちゃって大丈夫なんです。
何回も何回も試行錯誤をしているうちに、「あれ、この淹れ方ってすごくおいしくない?」って突き抜ける瞬間があるんです。
急に進化しちゃうんだね。
私はコーヒーって、単なる飲み物じゃなくて「趣味枠」だと思っています。
だから、自分らしさを表現していっていいんです。
お店を出すわけでも、大会に出るわけでもない人がほとんどだと思います。だったら、自分が好きなように楽しめるのが一番です。
好きこそものの上手なれって言いますしね。
おいしいコーヒーを淹れられるようになる一番の近道は、コーヒーを好きになることです。
ぜひ、コーヒーを楽しんでください。
よかったら、ツイッターのフォローもお待ちしています。一緒にコーヒートークで盛り上がりましょう。
コメント