こんにちは。まだまだコーヒー初心者のMAYAです。
コーヒーは飲むだけじゃなく、さまざまな体験を楽しみたい。コーヒーを通じて世界を広げたい。
本日はそんなMAYAが参加している、「LIGHT UP COFFEE」さんのコーヒー農園オーナー制度、題して《COFFEE FARM OWNERS》のレポート記事第3弾をお送りします。
「オーナー制度には申し込まなかったけど、どんなサービスなんだろう?」
「コーヒーがどうやって作られているのか、もっと詳しくなりたいなぁ」
「キックオフイベントには参加出来なかったから、どんなことをやっていたのかサクッと知りたい」
そんな方にも楽しく読んでいただけるように、《COFFEE FARM OWNERS》の初回イベント、オンラインキックオフイベントの様子をご紹介します。
この記事はシリーズ記事です。コーヒー農園オーナー制度《COFFEE FARM OWNERS》に関する他の記事を読みたい方はこちらからどうぞ。
コーヒー農園オーナー制度のキックオフイベントは、どんな内容だったのか?
いよいよ今月から、1年間のコーヒー農園オーナー制度がスタートしました!
10月10日土曜日、午前10時。《COFFEE FARM OWNERS》のキックオフイベントが開催されました。
場所はZoomミーティング上です。
イベントのURLは、事前に公式LINEから配布がありました。
私はプライベートでは初めてのZoomミーティングだったので、ドキドキしながらのZoom導入でした。
イベントに参加した農園オーナーさんは、約60名。みなさんご自宅からの参加のほか、中には新幹線での移動中らしい方もいらっしゃっていました。
運営チームからは「LIGHT UP COFFEE」代表の川野さんを含めたスタッフさんの3名と、バリ島の現地から農園チームの“バユさん”が参加されていました。
さっそく現地の生産者さんの声を聞けるなんて、聞いてないよ!?
うれしくて、画面の前であわあわしちゃいました。カメラオフで参加していて良かったです(笑)
せっかく参加したオーナー制度、あますところなく楽しみたいと思ってキックオフイベントにも参加しましたが、いきなりこんなサプライズがあるなんて……!
これからの1年間が、ますます楽しみになりました。
イベントの内容は、
- オーナー制度の内容について、改めての説明
- これから1年間のスケジュールについて、明かされていなかった部分まで初公開
- バリ島のコーヒー農園での1年間の流れについて、軽い講義
- バリ島の農園紹介と、LIGHT UP COFFEEとの関係について、ここでしか聞けない深いお話
- その他お知らせ事項
- 質疑応答タイム
このような流れでの1時間でした。
たった1時間とは思えない、密度と満足感の濃いイベントでしたよ!
「コーヒー農園オーナー制度」について
まず改めて、《COFFEE FARM OWNERS》について、「LIGHT UP COFFEE」の川野さんから詳しい説明がありました。
COFFEE FARM OWNERSの特設サイトに書かれているものと同じ内容でしたので、特設サイトをご覧いただくか、私のブログ内でも記事にまとめていますので、そちらを参考にしてください。
ざっくり言うと
- 吉祥寺にある「LIGHT UP COFFEE」で運営している企画です
- 2020年10月1日から、2021年の9月30日まで、バリ島にある4本のコーヒーの木をあなたの木として育てます
- 農園レポートや収穫されたコーヒー豆が届きます
- オンラインイベントを行う中で、オーナーさん同士の繋がりも生まれたら良いなと思っています
- 農園収穫体験(別途申し込み)の優先参加枠があります
といったところでしょうか?
ワクワクする、夢のある企画だと思いませんか?
私は農園レポートが特に楽しみです。
きっと1年間の農園レポートを読んだら、コーヒーの生産について誰よりも詳しくなれちゃうと思います。
それってすごくカッコイイですよね♪
オーナー制度の年間スケジュール、初公開
キックオフイベントでは、《COFFEE FARM OWNERS》の年間スケジュールも発表されました。
イベントに参加できなかったオーナーさん、メモが間に合わなかったオーナーさん、安心してください。
このページを見れば、今後の予定を忘れても大丈夫です。
(※仮予定なので、変更になる可能性があります)
月日 | 内容 |
2020年 | |
10月10日(土) | オンラインキックオフイベント @Zoom |
10月24日(土) | 農園レポート送付① @LINE |
11月9日(月) | コーヒー豆発送① ウォッシュド バリ島での焙煎 |
11月21日(土) | 農園レポート送付② @LINE |
12月19日(土) | 農園レポート送付③ @LINE |
2021年 | |
1月11日(月) | コーヒー豆発送② ナチュラル バリ島での焙煎 |
1月23日(土) | 農園レポート送付④ @LINE |
2月20日(土) | 農園レポート送付⑤ @LINE |
3月8日(月) | コーヒー豆発送③ ハニー バリ島での焙煎 |
3月20日(土) | 農園レポート送付⑥ @LINE |
4月17日(土) | 農園レポート送付⑦ @LINE |
5月10日(月) | コーヒー豆発送④ ウォッシュド 川野さんの焙煎 |
5月15日(土) | 農園レポート送付⑧ @LINE |
5月22日(土) | コーヒー精製についてのオンラインセミナー開催 |
5月末 | 農園収穫ツアーの概要をご案内 |
~6月中頃予定 | 農園収穫ツアー参加募集 |
6月19日(土) | 農園レポート送付⑨ @LINE |
6月中頃~末 | 農園ツアー参加者限定のオンラインイベント |
7月7日(水) | コーヒー豆発送⑤ ナチュラル 川野さんの焙煎 |
7月17日(土) | 農園レポート送付⑩ @LINE |
7月~8月 | 農園収穫ツアー実施(※) |
8月14日(土) | 農園レポート送付⑪ @LINE |
8月21日(土) | 最後のオンラインイベント |
9月6日(月) | コーヒー豆発送⑥ ハニー 川野さんの焙煎 |
9月18日(土) | 農園レポート送付⑫ @LINE |
※農園収穫ツアーはコロナなど渡航状況を見つつの開催となります
年間スケジュールを手帳に書き写した方は、きっと私だけじゃないはず。
コーヒー生産の1年の流れ~バリ島の場合
ここからは、川野さんからコーヒーの知識を教えてもらうお時間です。
まずはバリ島でのコーヒー生産の流れについてご説明いただきました。
コーヒーが日本に届くまでのことについて、ご存知ですか?
日本に居ると、どんなにコーヒーに詳しくても
「お店の人が生豆を買って、焙煎する」
という輸入後のことについてしか知れないのではないでしょうか?
「このお店の焙煎は深煎りメインだ」とか、「こっちのお店は浅煎りに力を入れている」とか、お店ごとの違いについて知るのも楽しいものですが、奥が深いコーヒーの世界、私たちが知らないことはまだまだあります。
それでは、バリ島でのコーヒー生産の流れについて、一緒に見ていきましょう。
- 9月……乾燥が終わった豆の袋詰め
- 10月……収穫が終わった農園のメンテナンス
- 雑草など、地面に転がっているものを手作業で綺麗にする
- シェードツリーの購入
シェードツリーってなあに?
コーヒーの木に日陰を作ってあげるための、背の高い木のことです。直射日光による日焼けを防いだり、温度を下げて美味しい実にする効果があります。
- 11月以降……コーヒーの花が咲いて、雨季に突入する
- 花が咲いて6~8ヶ月でコーヒーチェリーが実る
- ※雨季と乾季のタイミングがそれぞれの地域で違うので、収穫期は生産国によって異なります
- 剪定も都度行い、木を良い状態に保ちます
- 12月以降……シェードツリーの整備、肥料をまく、乾燥設備を補充する
- 6月……次期精製の計画を立てる、収穫の準備をする
- 7月……収穫・精製開始
- 8月……メイン収穫・精製
バリ島でのコーヒー生産は、これからこのような流れで行われていくそうです。
雨季に入ってしまうと、冷たく激しい雨の中で作業をすることになってしまいます。
なので、雨季に入る11月までに様々な作業を終わらせられるように頑張るそうです。
収穫期以外の9ヶ月の戦い次第で、収穫の量や質が大きく左右されるのだそうです。
コーヒーチェリーが実ってからより、コーヒーチェリーが実るまでの方が長いのですね。
生産期間の大半を占める仕込みの9ヶ月について、今の私は何も知りません。
毎月のオーナーレポートで、どのようにコーヒーが作られていくのかや、生産者さんたちがどんな苦労をしているのかを知りたいなと思います。
バリ島の農園紹介
私たちの木を育てる舞台であるバリ島の農園についても、COFFEE FARM OWNERSの特設サイトで紹介されていましたね。
ざっくりとだけ説明しましょう。
オンラインイベントでは、現地の写真たっぷりで説明してくれました。お見せできないのが残念です。
私たちのコーヒー農園は、バリ島北東部にあります。
バリ島の観光地は南部に集中しているので、空の玄関口デンパサール空港から農園までは、車で約3時間!
わあ、すっごく遠いんだね!
農園まではわりとなだらかな傾斜を登っていくのですが、道中にはみかん畑やお米の田んぼなどが広がっているのだとか。
そうして進んだ先にある聖なる山、バトゥール山の麓に農園があります。
育てているのは“コピヨール”と呼ばれる現地の品種です。
アラビカ種とロブスタ種、両方の特徴を持つハイブリッド種の品種だそうです。
「バリ島って剪定の仕方が世界で一番イケてると思うんですよ」
とは川野さんの言葉。
コーヒーの木って放っておいたら上に伸びていって、剪定をしないエチオピアなんかでは3mの高さにまで育ってしまうのだそうです。
けれど、バリ島のコーヒーの木は下に垂れ下がっている。
上のところに空洞があいて空気や日光が入るように工夫していて、しかも傘状になっているから収穫もしやすい。
写真を見せてもらったのですが、とても綺麗でした。
ワクワクするここだけのお話しはまだまだ続きます。
続いては、「LIGHT UP COFFEE」とバリ島のコーヒー農家さんとの、お付き合いの歴史についてのお時間です。
バリ島の農家さんと「LIGHT UP COFFEE」は、2016年からご縁があるそうです。
最初の年、2016年には新しい精製方法を開始しました。
翌年の2017年にはバトゥールにカフェをオープン。
実はこのバリ島に作ったカフェ、今回のオンラインイベントにも参加してくれている、生産チームのリーダー“バユさん”が作ったものだそうです。
このバユさん、実は元々の本業は建築関係だったのだとか。
生産者さんの別の顔も知れるなんて、なんだかうれしいです。
2018年にはこのカフェの横に新しい精製所をオープンさせました。
実はそれぞれの農家さんでも精製所を持っているのですが、自分たちで大きな精製所を作ってしまった方が目指すフレーバーを作りやすいという理由で、この精製所は建てられました。
近隣の農家さんからは、収穫されたコーヒーチェリーを提供してもらっているそうです。
そしてついに2019年、精製所の横に宿泊施設を建設して、初めての農園体験ツアーを実施しました。
そんな流れがあって、2020年、コーヒー農園オーナー制度が始動したのですね。
以前からの信頼と深いつながりがあって実現した「コーヒー農園オーナー制度」、ここまでの歩みを知るとますます素敵なものだと思えてきます。
裏話を聞けると、もっと好きになれちゃいませんか?
オーナー制度参加者さんからの質問タイム
軽いお知らせを挟んで、ラストには質疑応答の時間がとられました。
5名の方の6つの質問、いずれもとても良い質問で、川野さんのお話を更に深く掘り下げてくれました。
質問、回答は文章に起こすにあたって読みやすく省略したり、言葉を補ったりしています。
フルバージョンは実際にイベントに参加したオーナーさんだけの特権ということで、ダイジェスト版の雰囲気だけ楽しんでくださいな。
質問①「去年の農園ツアーではどのようなことを行いましたか?」
川野さん「前回は3泊4日で行いました。
日本からの飛行機は夕方の到着になってしまうので、到着日は何もせずに、2日目3日目がメイン活動の日になります。4日目はお昼過ぎに空港に向かう旅程です。
ただ見学するだけのツアーではなくて、コーヒーチェリーを食べたり触ったり乾燥所に持っていったり、テイスティングをしたりなど、現地の農家さんがどう暮らしているか、全て体験するツアーを目指しました。
今回は去年行った内容にプラスして、オーナーだからできることがないか考え中です。
日程は同じく3泊4日で計画しています。」
質問②「シェードツリーについて詳しく知りたいです」
川野さん「現地で最も一般的な、手に入りやすいシェードツリーを500本購入しました。」
(英語版Wikipediaでそのシェードツリーのページを出してくれるものの、読み方がわからない川野さんでした)
英語版WikipediaのGliricidia sepiumページ
質問③「前半、後半で届けられるコーヒー豆の焙煎場所が変わるので、その意図についてお聞きしたいです」
川野さん「コーヒーというのは、収穫してすぐに消費国に送られるわけではないんです。
理由はふたつあって
- そもそも輸送の準備に時間を要するから
- 収穫直後は1ヶ月くらいパーチメント(薄皮)が残った状態で置いておくと水分が馴染むから
なので、日本(東京)への輸送を挟んでしまうと、届くまでに時間がかかって、みなさんの元にお届けできるのが翌年になってしまうんです。
バユさん達が焙煎すると最短で届く&現地からの直送っていうのが世の中に滅多にないので、その体験も楽しんでいただけたらなと思ってこのような形にしました。」
質問④「農園オーナー制度をバリ島でやろうと思った理由は何ですか? 個人的にはインドネシアはロブスタのイメージが強いです」
川野さん「理由はふたつあります。
ひとつ目の理由は「近い」ということです。
体験をするにあたって、たとえばアフリカの山奥だったらお金も時間も体力もめちゃくちゃ必要ですけれど、バリだったら直行便もあって宿泊がしやすいので行き来が容易ですよね。
なおかつ文化的にも近いので、生産者の暮らし・生活の想像もしやすいですよね。
物理的な近さ、心理的な近さ(親近感)が理由です。
もう一つの理由は「アジアでこそ美味しいコーヒーを作りたい」という思いが前からあって活動していたからです。
たとえばヨーロッパのコーヒーバイヤーの人は主にどこに買い付けに行くかと言うと、そのまま南下してアフリカに買い付けに行くのが一番近いんです。
アメリカのコーヒーバイヤーだったら、中南米に買い付けに行きます。
どの地域の商社も、そのまま南下した地域のコーヒー豆を主に取り扱っているんですね。
ではアジアのコーヒーはどこに行くのでしょう?
……といったら、実はアジアのスペシャルティーコーヒーは、欧米の商社ではあまり取り扱われていないんです。
その理由はふたつあって
- アジアではそもそも美味しいコーヒーの作り方を知っている・コーヒーを美味しく作っている生産者が少ない
- 欧米の人たちが、エキゾチックで距離も離れているアジアまでわざわざ買い付けに来ない
ということがあります。
最近になって、やっとアジアまでラインナップを広げるバイヤーも入ってきているものの、アジアのコーヒーにはもっと美味しくなって世の中に広めていける余地があると思っています。
アジアのコーヒーにはそういった「面白さ」「可能性」あることと、先ほども言ったように、インドネシアのバリ島は「近い」ということで選びました。
僕たちは元々バリ島で活動をしていて、現地の農家さんとも関係性ができていたので、そこで今回新しくコーヒー農園が手に入ったというところからオーナー制度を始めました。」
質問⑤「去年、バリ島のコーヒーツアーに参加しました。最高に良かったです。みなさんちなみに、実際のバリ島のカフェ、あの写真の10倍くらい感動しますよ。さて、質問というより希望なのですが、個人的に農園レポートは上手くいったことだけじゃなくて失敗談・試行錯誤のリアルな部分を見たいです。順調な進捗報告じゃなくて、苦労の面も知れたらうれしいです」
川野さん「そうですね。まぁ、基本的にはうまくいかないんで(笑)
急に雨降ったりとか、色々なアクシデントがある中で対応していくのが農園での仕事になるので。
でも、そうですね。その苦労の面や失敗談についてもフォーカスするという視点で作っていきたいなと思います。
ちなみに農園でどんなことをしていくかについて、バユさんに聞いてみましょうか。」
バユさん「1月、2月にはベビーツリー(苗木)を植えて、コーヒーの木を増やすことを計画しています。
肥料を最初にあげます。農園の掃除と、同じタイミングで剪定をします。
シェードツリーも植えます。僕たちが選んだ木は植えること自体は簡単で、だからみんな選んで使っています。
けれどこのシェードツリーは50%の確率でしか育たないような木で、植えても害虫が根っこなどを食べてしまって育たなくなるかもしれないので、ちょっと多めに買って多めに植える予定です。
そうすれば、コーヒーチェリーに適した日陰が来年の収穫までにはできあがります。」
質問⑥「今回の“コピヨール”という品種は初めて聞いたのですが、インドネシアの在来種・育てやすい品種がコピヨールなのですか? それともLIGHT UP COFFEEの方が選んだ品種なのですか? コピヨールの特徴や、選んだ背景を教えてください」
川野さん「コピヨールというのはバリ島の現地の品種です。“在来種”ではないんですね。
コーヒーというのは元々エチオピアにあったものなので、エチオピア外にあるものは在来種ではないんです。エチオピアにあるコーヒーが、在来種というか原種になるんですけれども。
コーヒーの伝播は複雑で、色んな場所で現地の突然変異が起こっています。
“コピヨール”という品種は少なくとも“ハイブリッド”という品種です。
“ハイブリッド”という品種は1950年頃にティモール島で見つかった、ロブスタ種とアラビカ種の両方の特徴を兼ね備えた品種です。
美味しいのによく育つということで、アジアではハイブリッドの品種が重宝されています。アジアって気候変動が激しかったり、雨が多かったり、複雑な生育環境なので。
その中で、バリ島で育っているハイブリッドの品種が“コピヨール”と呼ばれている現地の品種です。
僕たちがテイスティングした感じでは、けっこう甘くてりんごっぽい感じです。ちょっとトロっとした感じもありつつ、しっかり甘さがある品種だと思っています。
選んだというよりは、元々あった品種の中で一番美味しかったものを僕たちが見つけて、メインで育てているという感じです。」
以上で、コーヒー農園オーナー制度《COFFEE FARM OWNERS》のオンラインキックオフイベントが終了しました。
1時間とは思えない、内容たっぷりのイベントだったね!
次回は、いよいよ私たちの農園のレポートが届く予定です。
バリ島のコーヒー農園、どんな場所なんだろうね! 楽しみだね!
そうですね。それでは、次回の更新もどうぞお楽しみに。
またねー。
この記事はシリーズ記事です。コーヒー農園オーナー制度《COFFEE FARM OWNERS》に関する他の記事を読みたい方はこちらからどうぞ。
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