ちょうど昨年の今頃、OXOの《バリスタブレイン》を購入しました! いえーいぱちぱちぱち。
我が家には元々手持ちタイプのプロペラ式電動ミルがあったのですが、このタイプのミルは粒が揃わないので、味にムラが出ること出ること。
いくら高い豆を買っても味が安定しない、あんまり美味しくない……。という悲しい状態を解決してくれたのが、このOXO《バリスタブレイン》でした。
一年も使うと欠点も見えてくるものですが、それでもそれなりに満足して使っています。今日は、《バリスタブレイン》を愛用している私が、詳しく、詳しく使用感のレビューを行いたいと思います!
据え置き型の電動ミルを探しているあなた、《バリスタブレイン》やこれによく似たOXOの新作《タイマー式コーヒーグラインダー》を購入候補にしているあなたには、特に知りたい情報をお届けできると思います。
(もっと詳しくミルの選び方・おすすめを知りたい方はこちら⇒コーヒー初心者のための、コーヒーミル・グラインダーの選び方)
何故ミルを買うとコーヒーが美味しくなるのか
スーパーで買う豆は元々挽いてあるよ?
お店でも頼めば挽いてくれるし、ミルなんていらないんじゃないかな?
そうですね。粉の状態で売っているコーヒーがとても多いので、毎日コーヒーを飲む方でも、ミルは持っていない、という方は多いかもしれません。
ところが、残念なことに、豆を挽いた状態で買うことは豆の劣化を早めてしまうのです……。
なんだってー!?
実は、コーヒー豆は焙煎後、徐々に酸化していきます。コーヒーを飲んで胸焼けを起こしたり、変な酸っぱさを感じたことはありませんか?
これは、コーヒーの酸化が原因かもしれません。
コーヒーは豆のままの状態なら、常温保存で焙煎後1ヶ月くらいまでが新鮮で美味しく飲むことができます。
しかし、豆を挽いてしまうと空気に触れる面積が大きくなるので、酸化のスピードは格段に速まります。粉の状態で美味しく飲める期間は、本当は僅か1週間なのです。
あなたはスーパーで買ったコーヒーの粉を、数ヶ月を掛けて飲んでしまっていませんか?
今のままでも特に不味いと思っていないし……と思われたかもしれませんが、ちょっと待ってください。
限りある人生、例えば残り40年間の人生で、毎朝コーヒーを1杯飲んだとします。あなたは残りの人生で、15000杯近くのコーヒーを飲むことになります。
朝のほんの10分の短い時間かもしれません。けれど、この15000杯を可もなく不可もないコーヒーを飲んで生きるか、今よりもちょっと美味しいコーヒーでささやかな幸福感を味わうか、どちらがより幸せな人生を生きられるでしょう?
電動ミルでコーヒー豆を挽くのに必要な時間は、30秒も掛かりません。幸せなコーヒータイムを過ごすためには、たった30秒早起きをするだけで良いのです。
豆はコーヒーを飲む直前に挽こう!
OXOの電動ミル《バリスタブレイン》の特徴をご紹介
それでは、MAYAの愛用する《バリスタブレイン》をご紹介していきたいと思います。
正直に言ってしまうと、コーヒーミルを選ぶ時に重要なことは
- 挽いたコーヒー豆の粒が揃っているか
- 粒の粗さを選ぶことができるか
たった二点です。
エスプレッソを淹れるなら「細かくて揃っているか」。ハンドドリップをするなら「やや細かくて揃っているか」。フレンチプレスで淹れるなら「粗くて揃っているか」。
コーヒーの世界は、案外シンプルなのです。
その他に
- 値段
- デザイン
- 大きさ
- 掃除のしやすさ
- 静電気の起きにくさ
- 特別な機能
などなど、こだわりたいポイントはそれぞれのおうちバリスタさんによっても異なるでしょう。
自分の大切なポイントによって、足し算や引き算をしながらミルを選んでいく……。正解はありません。特に、おうちでコーヒーを楽しむ人にとっては。自分が気に入ったミルを使うことが、コーヒーを楽しむ上で大切なことだと思います。
前置きが長くなりましたが、それでは、私のコーヒータイムを幸福にしてくれた、愛機の説明に移りたいと思います。
《バリスタブレイン》4つの特徴
- 好みの味を作るための3つの挽き方モード
- 選べるメッシュ(=豆を挽く粗さ)は38段階
- 流行りのコーン式(コニカル刃)
- 安定して美味しく飲み続けるために、カッター部の掃除もしやすい
3つの挽き方モード
まず第一の特徴にして《バリスタブレイン》のブレインたるポイントが、この3つの挽き方モードです。
この《バリスタブレイン》、なんとはかりを内臓しています。銀色の受け皿に付属のコンテナや好きな受け缶をセットします。重さをゼロに合わせて、ここからまずは2種類の挽き方モードを楽しむことができます。
- グラムモード
- カップモード
グラムモードでは1g単位で出来上がりの粉の重さを量れるので、淹れたいコーヒーの量に合わせてお好みで粉の量を調節することができます。
カップモードでは、出来上がりカップ数に合わせて、最適な粉の量を自動で計量してくれます。例えばカップ1杯でしたら、自動で8gの粉を挽いてくれます。これじゃあ好みに合わなかったらどうしたらいいの? と思われたでしょう。
安心してください。好みに合わせて、±2gの増減を設定することができるのです。一度自分の好みの濃さを見つけたら、あとはマシンに任せて毎日同じ美味しさのコーヒー豆を挽くことができます。なんとも賢いミルでしょう?
更にもう一つ、重要なモードがあります。
- ポルタフィルターモード
ポルタフィルターとは、エスプレッソを淹れる際に使う、粉を入れる器具です。
《バリスタブレイン》は受け皿の部分にはかりがありますので、ポルタフィルターをセットすると、はかりが使えません。要はマニュアルモードというわけですね。
もちろんポルタフィルターをセットしても使えますが、受け缶などを置いて手動でミルをオンオフする使い方もできます。OXOマークがLEDで光っている部分です。
実はMAYAさんは、グラムモードに惹かれて《バリスタブレイン》を買ったのに、結局マニュアルモードしか使っていないんだよね。
そうなのです。上のコンテナに豆を入れておいて、毎朝ボタンを押したら自動で適切な量の豆が挽けるなんて格好良い……! と思って《バリスタブレイン》を購入したのですが、実はコーヒー豆は空気に触れると酸化してしまいます。
密封できる容器や、コーヒー専門店で使われている専用袋に入れて保管をし、一回一回使う量だけを取り出して挽く方が長持ちするのです。
そういう訳で、豆を挽く時は毎回キッチンスケールを使って、挽きたい量の豆だけをミルに投入しています。
ごく普通の、タニタなんかの安価なキッチンスケールを使って大丈夫です。最大重量2kg程度、0.1g単位で計測できるものがあれば充分です。
私はもともとキッチンスケールを持っていたのでそれを使っていますが、カフェやコーヒー愛好者の中には、コーヒーを淹れることに特化した便利なはかりを使っている人も多いです。
スタイリッシュで私も憧れます。
メッシュの幅は楽しみ方の幅
さて、次のポイントはメッシュ(挽き目の粗さ)についてです。
プロペラ式の電動ミルだと、スイッチを入れている時間で粒の細かさを調節しなければなりませんが、《バリスタブレイン》のような据え置き型のミルだと、好みに合わせてこのメッシュを調節することができるものがほとんどです。
少し高価なミルには必ずこの機能がついているくらい、粒の細かさを調節することは、美味しいコーヒーを淹れるために必要なことなんですね。
先程も登場したこの写真ですが、わかるでしょうか? コーヒー豆を投入するホッパーの下に、数字と線があります。
この数字が小さければ豆が細かく、大きくなると豆を粗く挽くことができます。
数字は1~15しか書かれていませんが、数字と数字の間にも2~3段階分かれていますので、全部で38段階の細かさで豆を挽くことができます。
38段階全部は使わないものの、「普段は13目盛りよりひとつ細かいところで挽いているけれど、この豆はもう少し細かく、13目盛りよりふたつ細かいところの方が美味しいなぁ」のように微調整をすることはよくあります。細かく挽き目が調節できるというのは、想像以上に便利ですよ。
挽いた豆はこんな感じです。
これくらいの価格帯のミルだと、細かく挽くと粒が揃うものの、粗く挽くとどうしても粒の大きさにばらつきが出てしまいます。それがどうしても嫌! という人もいれば、これくらいならセーフ! という人もいます。
私はプロペラタイプのミルと比べたら見違えるように美味しいので、充分満足しています♪
ただ、致命的なある欠点を除いて…………。
ちなみに、私はフレンチプレスやハンドドリップ(ペーパー、ネル)で飲んでいるため、エスプレッソの挽き目は試していません。Amazonのレビューなんかを見ると、《バリスタブレイン》ではエスプレッソ用の極細挽きにするには物足りないようですので、エスプレッソを淹れる方はお気を付けください。
コーン式のグラインダーが流行るのにはワケがある!
コーヒーミルの命はやはり、刃です。《バリスタブレイン》の刃はステンレス製のコニカル刃。
最近気になる他のグラインダーでも採用されていたのですが、このコニカル刃というタイプの刃は、コーヒーの美味しい成分をよく抽出してくれるのです。
細別してしまえば刃のタイプは様々あるのですが、刃の種類についてはこちらのメリタさんのページがわかりやすいと思います。
さて、話を戻してこのコニカル刃。名前の通り臼のように豆をすり潰して粉砕します。フラットカッタータイプで挽いた豆よりも粉の表面積が大きくなり、コーヒーの成分が抽出されやすくなるのです。
定期的な掃除はミルの命を守る行為(←ちょっと言い過ぎ)
さて、私はミルを1~2週間ごとに掃除しています。だいたい2週間使うと、上の写真のように内部に粉が残ってきます。
静電気や豆の油分によって、刃の部分にも粉が付着し、挽く度にその粉が細かくなっていきます。こうなってしまうと挽いた粉に微粉が混ざり、丁寧に抽出しても、雑味やえぐみが出てしまうのです。
豆を挽けばこうしてだんだんと内部に粉が残るのはどのミルでも避けられないことですので、美味しくコーヒーを飲むためには、掃除のしやすさも大切なポイントの一つです。
その点、《バリスタブレイン》はこうして分解しやすいので、掃除がとても楽ちんです。私が《バリスタブレイン》の購入を決めたポイントのひとつでもあります。
何度も豆を挽いていると、コーヒーの出てくる口周辺にも静電気で粉が付着します。私は付属のコンテナは使っていないのですが、このコンテナはプラスチック製なので、使うとかなり静電気が発生しそうです。
上部ホッパーの中も、ただ豆を入れているだけなのに、だんだん細かいコーヒーかすが付いてきます。ホッパーも取り外せるので、もう少し汚れが気になるようになったら、洗ってしまうのも良いでしょう。洗った後は、入念に乾かしてくださいね。
肝心のカッター部も簡単に取り外せます。ミルの内部に結構粉が残るので、全部のパーツを取り外したら、逆さにして振ったり、結構頑張って粉を取り除いています。
私はミルとセットでブラシも購入しました。ミル本体はこのブラシで、取り外した刃の内側には毛先が引っ掛かってしまって上手く入らないので、普通の歯ブラシで掃除しています。歯ブラシ、めちゃくちゃ使いやすいのでとてもおすすめです。
《バリスタブレイン》の致命的欠点とは
ここまで紹介してきた《バリスタブレイン》ですが、購入してみて一点、致命的な欠点があることに気付きました。
ミル本体の形を眺めて構造を想像してもらうとわかるのですが、ホッパーからカッター部までは豆が垂直に落ちていくのですが、挽いた豆が出てくる口は、やや前方に付いています。内部で粉が水平方向に移動する箇所があるので、中に粉がかなり多く残ってしまいます。
- 前回挽いた豆が残ってしまい、時間が経つと酸化する
- 使う豆の種類を変えると、前回のものと混ざってしまう
- 挽き目の粗さを変えると、前回の挽き目のものが混入してしまう(フレンチプレスの粗挽きとエスプレッソの極細挽きを順番に挽いてしまったら、大変なことになりそうです)
ホッパーから排出口までが一直線に並ぶミルのタイプを、直下型と呼ぶらしいです。毎回同じ豆、同じ挽き方でさほど時間を空けずに使うのでしたら《バリスタブレイン》のタイプのミルでも大丈夫なのですが、そうじゃなければ、直下型のミルの方が使い勝手が良さそうです。
《バリスタブレイン》に似ているおすすめミルは?
ここまで紹介してきた《バリスタブレイン》ですが、2017年9月に発売し、現在では生産が終了しているのか、私が購入した時よりも値段が高騰しています。
市場には出回っているのでまだ手に入りますが、《バリスタブレイン》の良さの一つは値段の割に性能が良いことだと思いますので、定価以上のお値段になっているものは残念ながらオススメしにくいです。
そこで、《バリスタブレイン》と近いと思われるミルをふたつ、紹介しようと思います。
まずはこちら、同じくOXOの《タイマー式グラインダー》です。
こちらはOXOの新作ミルで、《バリスタブレイン》からスケール機能を取り除き、代わりにタイマーをセットすることによって、挽く量を調節するタイプになります。
とはいえ、毎回キッチンスケールで一回分の豆の量をはかり、ホッパーに投入すれば、正確な重さで豆を挽くことができます。
《バリスタブレイン》より進化したポイントとして、38段階→43段階の挽き目にパワーアップしています。これで更に、好みに合わせて細かく豆の挽き加減を調節することができます。
スケール機能がなくなって、より安価に購入しやすくなりました。最初のミルとして選びやすい価格ですね。
メーカーのサイトでは、《タイマー式グラインダー》の動画も掲載されているよ。
続いて、今一番気になっているミルがこちらです。
Cores社の《コーングラインダーC330》です。
Cores社の製品は、スペシャルティーコーヒーの美味しさを最大限に引き出せるように工夫された製品ばかりです。
こちらの《コーングラインダーC330》は、《バリスタブレイン》と同じくコニカル刃で、しかも直下型です。中に微粉が残らないように、掃除のしやすさにも気を遣ってくれています。
気になるポイントとしては、他のレビューブログさんで見掛けた「ホッパー部から豆が上手く落ちていかず、引っ掛かって残ってしまうことがある」という点でしょうか。
《バリスタブレイン》と違いホッパーの底面が水平に平らで、カッター部に落ちる穴もあまり大きくはなさそうなので、揺らしたりして豆を落とさなければならないのかなと思います。
この価格帯で驚きなのが、挽き目は無段階調整ができるのです。無段階調整、却って「この間美味しかった粗さってどこだったっけ?」となってしまいそうですが、コーヒー愛好家には堪らない機能ですね。一度試してみたいものです。
以上、《バリスタブレイン》の紹介と、おすすめミルの紹介でした。
もっと詳しく、コーヒー好きのフォロワーさんや焙煎士さんからも声を聞かせていただきながら書いたコーヒーミルの選び方のページができました。
あわせて読んでいただけるとうれしいです。
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